多焦点眼内レンズを使った白内障手術が増えています。眼内レンズを扱う業者からは、当院が市内で最も眼内レンズを使用している施設とのことです。多焦点レンズを入れた方々からお話を聞くと、多くの方が遠くは裸眼で見え、手元は新聞程度までは老眼鏡なして見えるとのことです。保険診療で使う単焦点レンズでは、遠くに焦点を合わせると手元を見るには老眼鏡が必須となりますので、多焦点レンズでは日常生活がかなり便利になると思います。一時的は出費は必要ですが、長い目で考えれば、得な選択ではないでしょうか。しかしながら、多焦点レンズが効果を発するのは、白内障以外もほかの病気がないことや、視機能に関するそのほかの部位に老化が少ないことが条件になります。私の印象ですが、視力が出やすいのは、70歳代前半までの方が多いように思えます。視力が出るかどうかは患者様ごとに異なりますので、白内障手術の際、多焦点レンズを使うかどうか、医師とよく相談してからご判断いただければと思います。