網膜光凝固
レーザーによる網膜光凝固の眼科治療での目的は主に2つあります。一つは網膜の裂孔に対し、その周辺の網膜を凝固し、網膜剥離が進行しないようにすることであり、もう一つは、糖尿病網膜症および網膜静脈閉塞症で血液循環の悪い網膜を凝固することで、新生血管の生成を防ぐことです。
網膜裂孔・裂孔原性網膜剥離
下の写真のように網膜の裂孔周囲に光凝固(黄色い点)を加えます。下の写真はレーザーをした直後の写真で、およそ1か月で凝固班は黒くなり、固着します。
網膜裂孔の一例
網膜裂孔に対する光凝固の一例
糖尿病網膜症・網膜静脈閉塞症
糖尿病網膜症に対しては、黄斑部を除く網膜全体に光凝固を施します。網膜静脈閉塞症の場合は血液循環が悪くなっている場所に光凝固を施します。
糖尿病網膜症に対する汎網膜光凝固の例
網膜光凝固の実際
網膜光凝固は外来で行います。散瞳が必要ですが、そのあとの眼帯や入浴には制限はありません。翌日から仕事等は可能です。網膜光凝固は健康保険が使え、光凝固が網膜の一部であれば3割負担の方で3万円程度、1割負担の方で1万円程度、また、光凝固が広範にわたる場合は、3割負担で6万円程度、1割負担で2万円程度となります。